うつ病・休職を繰り返している公務員は「天才」?「変な人が多い」と言われる公務員が読むべき「天才を殺す凡人」
キミはもっとアホになった方が良いよ〜
余計なことまで考えるから悩むんだよ〜
これは酔っぱらった上司から飲み会の席で言われた、今でも忘れられない言葉です。
飲み会で「アホ」になり、上司を笑わせ、気に入られている同僚を見る度、どうして私はあの子みたいに「アホ」になれないんだろう?と自信を無くしていました。
そんな私の人生観を180度、いやグルグル回転して540度くらい変えた本が「天才を殺す凡人」です。
「人が一番思い悩む根本は、『自分の才能をコントロールしようとしたとき』なんや」
北野唯我(2019).天才を殺す凡人 日本経済新聞出版社
私はこの一文を見たとき、衝撃を受けました。
『転職の思考法』で有名な北野唯我さんが書かれた一冊が、今回ご紹介する『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』。
十数年、悩み苦しんできた公務員生活を一変させた、衝撃の名著でした。
親や世間の人から「楽で安定した仕事」と言われる役所で、悩み多く、苦しい思いをされている方は多いと思います。
それは貴方が「凡人に殺されている天才」だからかもしれません。
私も含め「自分は才能も無いし、凡人だから」と思い込み、消去法的に公務員になった方は多いと思います。
しかし真面目に働けば働くほど自信が無くなり、どんどん自己肯定感を失っていく人も多いのではないでしょうか。
それは「凡人」が一番輝くのが、ムラ社会である役所の風土だから。
そして私のように「自分は凡人」と勘違いしている「天才」タイプが民間企業を諦め、公務員になっているパターンも多いです。
「公務員は変な人多い」と言われるのは、凡人最強社会に馴染めない「天才」タイプが多いからかもしれません。
天才が自分の能力を発揮できていないまま組織で浮いた存在になり、ただの「クセの強い人」になっていく訳ですね。
役所人生で苦しみ続けている人は、自分の才能を正しく認識できていないだけという可能性があるのです。
公務員の世界での負け組は「天才」?「天才を殺すのは凡人」を知ることの必要性
『天才を殺す凡人』では人の才能タイプを「天才・秀才・凡人」の3種類に分けて説明しています。
天才
- 「創造性」を軸に物事を動かす
- 独創的な答えや着眼点を持ち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる人
秀才
- 「再現性」を軸に物事を動かす
- 論理的に物事を考え、システムや数学、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる人
凡人北野唯我(2019).天才を殺す凡人 日本経済新聞出版社
- 「共感性」を軸に物事を動かす
- 感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動ける人
社会の中で最も人数が多いタイプを「凡人」と定義しています。
一方、「天才」タイプや「秀才」タイプはマイノリティになるようです。
この定義を見たとき、自分は「感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動く」ことが先天的に大変苦手だと気づきました。
「凡人」の強みが、自分には無かった。
また論理的に説明することが苦手な自分は「秀才」でも無い。
一番近い属性は「天才」だったことが分かったのです。
(あくまでタイプとしての「天才」として表現しています。自分のことを世間でいう「天才」と思っている訳ではありません(笑))
筆者は最初『天才を殺す凡人』というタイトルを見たとき
この本を読めば、凡人が天才を殺せる武器を手に入れられるのか!!すごい!!天才を倒せるようになりたい!
と思いました。
しかし読み進めていくうちに、他人の気持ちが分かる共感性の高い「凡人」はこのタイトルを見て「凡人が天才を殺せる武器を手に入れられるのか!!すごい!!」なんて発想にならないことを思い知らされました・・・
こちらは筆者が大好きなYouTuber、サラタメさんの解説動画。
サラタメさんは視聴者の気持ちを汲み取る共感性が高く、競争の激しいビジネス系YouTuberの世界で、長年多くのファンに愛されています。
(筆者もサラタメさんの本を買い、登壇されるセミナーには現地まで行ったことがあるくらい大ファンです)
そんなサラタメさんは『天才を殺す凡人』を最初に見たときの感想として「(凡人の)俺、無意識に天才を殺しちゃったりしてないよね?」と、大変思いやりに溢れたコメントを仰っています(笑)
学校や職場などの組織で輝いている方の多くは、「凡人」の強みが光る方です。
一方で「天才」は、協調性が高い「凡人」に虐められてきた過去を持つことが多いと書かれています。
たしかに筆者も中学生の頃から度々いじめにあってきました。
そんな人生の失敗を重ねるたび、私は「凡人」になろうと努力し、さらに失敗を重ね自信を無くしてきました。
集団に馴染めなかった「天才」タイプは、自分には才能が無いと勘違いし、なれるはずもない「優秀な凡人」を目指しては挫折します。
そこへ親や予備校から「公務員は楽で誰でもできる」といった偏見と誤解だらけの情報を刷り込まれ、役所に逃げるように就職、可能性を更に潰される「天才」タイプの悲劇は後を絶ちません。
公務員の世界は「凡人に殺された天才」、特に凡人と天才の両面を持つ「病める天才」が多いと筆者は感じます。
病める天才
一発屋のクリエイタータイプ。
凡人の気持ちを理解する優しさを持つが、「再現性」がなく、ムラが激しい
北野唯我(2019).天才を殺す凡人 日本経済新聞出版社
この一節を読んだとき、自身が「病める天才」だったことに、初めて気づきました。
同時に、非常に能力が高い職場の友人が、全く上司に評価されず、能力を発揮できずに苦しんでいる理由も分かりました。
公務員人生がつらい、辞めたい、でも他の業界で勤まる気もしない・・・
そんな漠然とした強い不安を抱えながら公務員を続けている方には、是非この本を読んで頂きたいです。
「病める天才」タイプの公務員が、休職・退職に追い込まれないサバイバル術
「ええか、実に多くの人がな、無いものねだりばかりして、自分が持っている才能を飼い殺して、人生を終える。」
北野唯我(2019).天才を殺す凡人 日本経済新聞出版社
病める天才タイプの公務員である私は、凡人・秀才の無いものねだりばかりしていたことに、ケン(作中で主人公を導くメンター役)のこの言葉で気づかされました。
しかし病める天才タイプの公務員は、どうすれば凡人最強社会の役所で休職や退職に追い込まれずに生きていけるのでしょうか。
病める天才タイプだと自覚した私が、この本を元に試行錯誤して見つけた、3つの解決策をお伝えします。
本書によると、天才がその才能を発揮するには「共感の神」が必要です。
共感の神とは、あまりに共感性が高くて、誰が天才かを見極める人のこと。
残念ながら、公務員の職場は、天才タイプによるイノベーションがあまり評価されません。
そのため、天才タイプは、趣味やボランティア活動等に没頭し、仕事での悩みをリセットする方が、メンタルを病みにくく、また自身の能力を活かすことにも繋がります。
実際私は職場外で出会った「共感の神」に執筆活動を後押ししてもらい、こうして表現の場を頂いています。
その「共感の神」は「秀才」としての能力も高く、私以外にも、様々な業界にいる「天才」タイプの表現活動や仕事のサポートをしているそうです。
天才タイプは学校や役所のような「ムラ社会」で浮きやすく、似た者同士で友人になることが多いです。
同期の飲み会でポツンとしている者同士仲良くなったような友達が、私の周囲にもいます。
そんな友達に出会えたら貴重な天才タイプ仲間として大切にし、互いの才能を理解した上で、自己肯定感を高め合う仲間にしていきましょう。
そんな友人は、転職や起業して役所を離れる方も多いので、自分が役所生活に限界を感じた場合、相談できる貴重な縁にもなります。
そもそも自分の天才タイプが活かせない職場で、凡人の評価軸に合わせて忍耐する人生を、転職で根本的に転換することも一つの方法です。
しかし民間企業でも、凡人は圧倒的多数です。
さらに私のような「自信が無いから周囲から勧められた公務員になってしまった」タイプは、転職に強い職務経験も積めていないことが多いです。
実際に転職活動をしてみた私の経験談ですが、民間経験が無く、公務員として本庁の中心的な部署にいたような経験も無い自分は、書類選考が全く通りませんでした。
私はまず【3】で自分の市場価値を知ったことで、身近にいた「共感の神」の助言こそが自分が生きやすくなる鍵だと分かりました。
年齢的にも中々【3】が難しいことが分かったため、【1】と【2】を軸にした余暇活動を進めてきました。
その中で「凡人中心組織から逃げる転職」ではなく、「在職しながら病める天才タイプを生かした活動」に興味関心が移るようになりました。
その結果「周囲の同僚のような人(凡人)にならなきゃ」という誤った努力を重ねることも無くなったのです。
結果的に、無理の無い範囲で、凡人性や秀才性を伸ばし、職場で自然に振る舞えることも多くなりました。
今は上司や同僚から「相談しやすくて頼りになる」「決断力がある」といった評価も頂けるようになっています。
やったことは、自分の才能を正しく知り、才能タイプに合った活動や努力をしただけ。
自分の適性や才能を正しく知ることがいかに大事かを身をもって実感しています。
『天才を殺す凡人』を読むことで、一人でも多くの、悩める公務員に、自分の才能に目覚めて頂きたいです。