前回記事では、公務員が昇任試験を受けた方が良い理由について、近年の公務員を取り巻く状況の変化から解説させて頂きました。
「昇任したくない」公務員が増える今、昇任試験を受けた方が良い理由
前回も解説しましたが、近年多くの自治体では現場の主力になる係長級の職員が不足しており、組織として係長試験に挑戦する中堅職員を応援する風土が出てきています。
一方で、所謂出世ルートから外れた部署にいる職員は、本人に昇任意欲があっても周りからサポートを受けられないケースが少なくありません。
筆者は採用から長年、出先機関や公営企業のような出向先をグルグル異動しています。
公営企業や警察部局等の出向先は、首長部局(本庁)と異なり、人事課が実施する研修や昇任試験に関する情報が入ってくるのが遅かったり、連絡が抜けたりしがちです。
特に昇任試験については、本庁にいると周囲の係長が庁内に存在する「昇任試験の勉強会」を案内してくれることもあるのですが、筆者には一切そのような案内はありませんでした。
言葉を選ばずに言うと「中枢部署から忘れ去られた辺境の部署」にいる職員は、係長不足のこのご時世になっても、役所内の情報が得にくく、昇任試験の勉強は情報面で圧倒的に不利です。
今回はそんな厳しい状況で係長試験に合格した私が、長年苦労して得た、どんな役所でもある程度使える昇任試験の合格術をご紹介します。
まず今回は法律試験の勉強方法について解説します。
近年、採用難を理由に入庁試験では法律科目を廃止に踏み切った役所も多いですが、所謂「行政事務職」(民間企業でいう総合職の採用枠)には行政法や地方自治法の知識が必要なので、昇任試験では行政法などの法律試験を残している役所も多いです。
SPIと面接試験のみで入庁された近年の若手職員の方は、今まで法律を勉強したことがなく、どうやって勉強したら良いか分からないという方も多いでしょう。
そんな方におすすめしたいのは、端的に言うと「行政書士」の資格を取り、ついでに昇任試験にチャレンジする方法です。
昇任試験は一般の国家資格と異なり、合格基準がブラックボックスになっていて、合格基準点を明らかに超えている職員が何年も合格できないケースはザラにあります。
ですので、筆者は若いうちは履歴書に書ける国家資格である「行政書士」にチャレンジしつつ「ついでに」昇任試験にチャレンジするようにしていました。
なぜなら、一緒に受験した友人と試験直後に再現答案を作って係長の先輩に見てもらったら、どう見ても8割以上得点している筆者が不合格で、途中までしか記述できなかった同期が合格したケースが実際にあったからです。
すべての役所が同じとは限りませんが、おそらく、出先機関など出世街道から外れた部署にいる職員や人事評価が低い職員は合格しにくい仕組みがある可能性は高いと思われます。
「本庁で活躍している職員は忙しい中頑張っているから下駄を履かせてあげよう」という、人事サイドの配慮なのかもしれません。
(しかし多くの出先機関職員が感じているように、実際には出先機関の方が残業や土日出勤が多いケースもあります。人事評価も理不尽な評価がつくのはよくあることです。)
人生の時間は貴重なので、受かる可能性が低い昇任試験の勉強に365日を捧げるのは勿体無いです。
特に行政法や地方自治法の記述試験がある場合は、行政書士合格レベルに到達していれば昇任試験は特別な勉強をしなくても合格される方が多く、筆者を含め周りでも同様のパターンで先に行政書士に合格してから昇格された方がいます。
「行政書士なんて難しい資格、わざわざ取るの?」とハードルを高く感じられる方もいると思います。
しかし行政書士試験は合格基準点を超えれば合格できる絶対評価の試験なので、必要な勉強量をこなせば合格できます。
また、行政書士試験で勉強する民法等は、公務員の仕事で知っておいて損は無い基礎教養になります。
さらに、公務員という業界で働き続けるのが心身ともに限界になったとき(軌道に乗るまでは決して簡単な道のりではないものの)失業後に独立するための手段にもなります。
中高年層の職員は行政法や憲法の試験を合格して入庁している方も多いので、先輩や上司からも「入庁後に自ら法律を学んでいるのは感心する」と好印象になる可能性もあるでしょう。
そして、行政書士試験の勉強法は、お金はかかりますが、予備校の通信講座に課金することをオススメします。
出先機関や出向先配属の職員は、辺鄙な場所にある事務所でリモートワークも禁止、通勤時間が異常に長く、正直勉強するには不利なケースも多いです。
長年独学で勉強する時間を考えると、筆者は通信講座で一年ガッツリ勉強してサクッと合格することをオススメします。
筆者がおすすめする通信講座は、「ゆーき大学」という通信講座です。
公務員の昇任試験のために受講するには値が張りますが、行政書士試験の合格と併せてチャレンジするのであれば、期末勤勉手当で受講できるラインかと思います。
何より、ゆーき弁護士の授業は面白いので、趣味として受講すること自体が楽しく学べます。
そして行政書士試験に限らず、法律の試験で合格ラインに到達するには、択一式問題の演習が要です。
筆者は「合格革命」という問題集を毎日カバンに入れて持ち歩き、長い通勤時間を生かして、電車やバスの中で解いていました。

2026受験対策版の表紙では、ゆーき大学のゆーき弁護士が推薦されていますね。
ゆーき弁護士ご自身が推薦されている通り、筆者もゆーき大学&合格革命が行政書士試験の王道合格ルートだと思います。(案件ではありませんのでご安心ください)
行政書士試験という観点で見ると、ゆーき大学のメリットは、憲法が得点源になることです。
実際、筆者も行政書士試験に一発合格しましたが、憲法でかなり高得点を取れました。
憲法は判例の理解が要になるのですが、ゆーき弁護士の判例解説が面白いので、多くの受験生が苦手な判例が「面白い」「楽しい」と感じられるようになるのがゆーき大学特有の強みです。
昇任試験で出題されることが多い行政法や地方自治法、実務上の行政判例など、判例学習が好きになると、合格後も公務員人生の多くの場面で強みになります。
また、試験直前期対策としてリリースされている「禁断の裏技 +25点」では、他の法律試験でも活用できる、法律の択一式試験ならではの攻略法を身につけることができます。
これは司法試験を合格されたゆーき弁護士だからこそ分かる、法律というモノの性質を踏まえた攻略法を学べる講義で、筆者はその後挑戦した社会保険労務士試験でもこの考え方を活用できました。
一応、ゆーき大学のデメリットを申し上げると、商品名が「胡散臭い」ことです(笑)
筆者がお世話になっていた頃は「神ノート」「禁断の裏技」といった商品名が前面に出ていて「変な情報商材じゃないの?」と友人に訝しがられたことがあります。
筆者は厨二心をくすぐられるネーミングがむしろ大好きだったのですが、風評被害もあったのか、現在は「パーフェクト神講座」といったインパクト控えめな講座名になっているようです。
法律資格の最上位資格と言われる弁護士の法的思考力を背景に、行政法の体系や受験生に苦手意識を持たれやすい判例を分かりやすさに全振りして解説する講義は、法律学習に苦手意識がある方にこそおすすめです。
筆者はゆーき大学がきっかけで行政法が得意になり、行政書士に一発合格後、昇任試験も合格でき、昇任後は強みとなった法律知識をキャリアに活かすこともできています。
次回は、筆者にとっては合格率10%台の行政書士試験より難関だった、役所の係長試験特有の「昇任試験論文」の勉強法について解説します。